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「臨床検査専門医が教える異常値の読み方が身に付く本」

2018年発売で既に第5刷までいっている医療関係にしては珍しく?売れている本。気になってお盆の読書課題として読んでみました。

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採尿、採血検査の数値から、異常を読み取り、疾病内容を推測する、その思考プロセスを解説した本。

一つの数値からたちどころに病名が分かるなら簡単ですが、この本では、ある異常値から考えられる疾病の候補を複数考え、引き続き別の数値を見てさらに病気を絞っていくという、まるで推理小説を読んでるかのような推測の面白さが分かる本です。

 

しかも、複数の事例で、同じ項目の異常値が出てくるので、だんだん慣れてきて、この数値が異常だとこの病気が考えられるなと自然に推測が働くように書かれている点は親切です。それでも、医学専門書ですので、完全には理解できないところもありますが、そういう点は気にせずどんどん読んでいくのがこの本の有効な読み方だと思います。あとで、また同じ話が出てきて分かるということがあるからです。

 

依頼者が持ってくる検査の数値から、医師の下した診断が正しかったのかどうかを確認することが少しはできるようになるという点で、仕事にも役立つ本だと思います。手元に置いて随時参照する辞書替わりにもなる本だと思います。たくさん事例があるので、依頼者が持ってきた数値に似た症例が一つはあると思うからです。